小樽インセクト工芸社                             ホタルの飼育方法



   


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水 盤 飼 育 方 法


( 1令幼虫 〜 2令幼虫 )


水盤飼育容器(正面)



                                 写真−1



基本的な水盤飼育装置



 採卵から孵化(ふか)までは初心者でも実際に行ってみると思った以上に簡単
  に出来ます.しかし孵化直後の幼虫(1令幼虫)〜3令幼虫に成長させるま
  での飼育期間の40〜45日間位が最も難しく細心の注意と管理が必要です.
  それ以上に飼育管理し続ける根気も必要です。

 3令幼虫以後は飼育中に死ぬ幼虫は余りおりません.ホタル飼育の成功・
  不成功は1令幼虫〜2令幼虫までの40〜45日間位の水盤飼育期をどう
  管理し続けるかにかかっております。

以下に「水盤飼育の要点と注意」を記しましたのでご利用下さい。



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水盤飼育の要点と注意


( ヘイケボタル )


 @ 飼育容器(写真)(240×190×60H)の大きさで1令〜3令位まで

    500匹の幼虫飼育が十分可能です。(写真−1・写真−7)


 A 飼育容器にいれる小石は四隅に置くくらいで十分です.いれ過ぎな

    いように。


 B 水中への空気の補給は十分に取り入れること。


 C 一容器に放した幼虫数は必ず確認しておくこと。(飼育歩留り計算の

     ため)


 D 餌さ(カワニナ)は必ず殻を割って身の部分(肉の部分)のみ与える

    こと。

    (1令〜2令幼虫はカワニナの内臓部分を取除くこと.内臓部分を

     付いたまま与えると水盤飼育容器内の飼育水を腐敗させる原因に

     なります)


 E  1令〜2令位までは1度に食べる餌さの量は僅かです.ほとんどが無だ

     餌さとなりますがこの時期に十分餌さを与えておかないと将来的に大き

     くて丈夫な終令幼虫は出来ません.3日に一度位の餌さやりを習慣ずけ

     ておくことが必要です。



                           写真−2


給餌5時間後の2〜4令幼虫の状態




  ご注意 「給餌量」の判断のしかた。


 ◆ 1令では中くらいのカワニナ一匹の身の部分に100匹位の幼虫が食いつき
     ます2令では50匹位の幼虫が食いつきます。

 ◆ 餌にありつけずにウロウロしている幼虫が多数目に付く様であれば餌不
     足です。

 ◆ 幼虫は餌を十分に取った後は2〜3日あまり動き廻らず飼育容器の隅などで
     じっとしています。(写真−3)

 ◆ 特に日中動き廻る多数の幼虫が見られるときは総体的に餌不足ですので
     給餌量を増やしてください。(写真−1・写真−8)

 ◆ 給餌量不足状態で飼育を続けると成長の遅い幼虫が多くなります。


                           写真−3


給餌量が足りてるときの日中の幼虫の状態



 F 蒸発した飼育容器の水は常に補充すること。

 G 飼育容器の水はあまり替え過ぎないように。

 H 使用している飼育容器の水の中には自然にバクテリアが繁殖しています。

   バクテリアは食べ残した餌さや幼虫の排泄物・水中に浮遊する有機物質
    などを餌として生きており飼育容器内の水の浄化を同時に行っており
    ます。

    バクテリアが上手く繁殖していない時などは給餌後何時までもエアー
     レーションによって泡立ちます。

 ★ 急いでバクテリアの繁殖を促したい場合は市販の沈殿物除去剤を適量
     入れて下さい。 入れ過ぎないように注意して下さい

 I バクテリアが水の腐敗を防いでくれていますので2週間に1度くらいの
     水替えで十分です。

 J 2週間に1度の水替えも元の水を2割くらい残して水替えして下さい。


  ご注意 「バクテリアの管理」について。


 バクテリア自体は顕微鏡下でなければ見ることが出来ませんがバクテリアが
 上手く働いているかどうかは水盤飼育容器や流水飼育装置の親水槽の底に
 溜まる沈殿物(オリ)の蓄積状態で読み取ることが出来ます。

 バクテリアはホタルの幼虫の食べ残しの餌や幼虫の糞・飼育水の水中に浮遊
 する有機物質を分解してくれます.バクテリアに分解された有機物質は無害の
 沈殿物(オリ)として水盤飼育容器の底に溜まります。


( 写真−4〜写真−7 参照 )



  水盤容器や飼育槽の底に沈殿物(黄灰色から黒色の沈殿物)がどんどん溜ま
   るか又は水盤容器の底全体ににクモの巣のような糸が張られていればバク
   テリアが上手く働いている状態です。

  このオリは無害でホタルの幼虫にはいくら溜まっても悪影響はありませんが
   沈殿物(オリ)があまり溜まりすぎると若令期は飼育管理がしずらいので
   時々ピペットで沈殿物(オリ)のみ吸いとって飼育容器内をきれいにしてく
   ださい。

  水盤飼育では1令や2令幼虫はこのオリの中によく身を隠したりオリの中で
   よく脱皮もします.ピペットで吸い取った沈殿物(オリ)は水を張ったプラ
   容器の中にいったん入れて幼虫の有無を必ず確認してからすてて下さい。

  水盤容器や飼育槽の底に沈殿物(オリ)がどんどん溜まる様でなければ飼育
   水中に有機物質が溜まりだします.高温期にあたる水盤飼育時期には水は
   一瞬にして腐敗します。

  飼育水を頻繁に交換しすぎてもバクテリアの増殖が伴わず短時間で水が腐敗
   し幼虫は全滅してしまいます。

  飼育水を頻繁に交換しているのに幼虫が死滅するのはバクテリアが上手く
   増殖し作用していないためです。

透き通った見た目に綺麗な水が幼虫飼育に適した

水ではない事をよく理解して下さい。



水盤飼育容器の底に溜まる沈殿物(オリ)の様子


( バクテリアが正常に働いている状態です )



写真−4                           写真−5

  

沈殿物の蓄積状態 容器1        容器−1 の拡大



    写真−6                          写真−7

  

  沈殿物の蓄積状態 容器2     沈殿物の蓄積状態 容器3




 ★ 「バクテリアの管理」とは目に見えないバクテリアの働きを飼育容器の
     底に溜まる沈殿物(オリ)の蓄積状態で読み取ることです。

 K ただし食べ残しの大きな餌さは2日くらいで餌さの廻りに水カビが発生しだ
    しますので食べ残しの腐敗した大きな餌だけはピペットで取り除いて
    ください。

 L 取り除いた腐敗した餌はすぐに捨てずに水を張った透明プラ容器に回収し
    てください。

 M プラ容器に回収した腐敗した餌にはまだ幼虫が食いついております.
    2日〜3日くらい置いておく間に餌に食いついた幼虫は餌さから離れプラ
    容器内を歩き回ります.幼虫を確認したらピペットで吸い取り飼育容器に
    戻してください。

 N 腐敗した餌さからの幼虫の回収を怠ると飼育容器内の幼虫数は見る見る
    減ってしまいますので注意深く幼虫の確認を行って回収してください。

 O 孵化して10日〜14日目くらいで第一回目の脱皮が始まります.脱皮が近
    く なると休眠状態に入ります.この時期幼虫はほとんど動かなくなり
    同時に餌も取りません。



ご 注 意 急に見えなくなった幼虫の行方?。



  休眠脱皮時期になると今まで水盤飼育容器内で見えていた幼虫は殆ど見
   えなくなってしまいますが水盤飼育容器の四隅にいれた石の下や沈殿物
   (オリ)の中などに隠れております.あせらずに10日〜2週間くらい
   じっと幼虫が脱皮して出てくるのを待ってください。

   心配してくれぐれも石をはぐったり動かしたりしないようにして下さい。

 P 脱皮直後の幼虫の体色は白色で体型も一回り大きくなっています.一見
     して直ぐ判りますので確認したら孵化日からの日数を記録しておき
     ましょう。

 Q 2令幼虫が順調に生育していくと35日目くらいで第ニ回目の脱皮が始
     まり3令幼虫になります.3令で体長8mm位いになったらそろそろ水
     盤飼育は終了です.以後は 「流水飼育装置」 での飼育をお薦め
     致します。

 R 夜間に長時間人工的な照明下での飼育を避ける事。



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水盤飼育容器(側面)


                               写真−8





水盤飼育に必用な基本的な機材


 @ 水盤飼育容器 (240×190×60H) 2個 A エアーポンプ 1台

 B 二又分岐金具 1個 C エアーホース 1式 D エアーストーン 2個

 E キスゴム 2個 F ピペット 1本 G 透明プラスチック容器 
 
 H ピンセット 1個 I バクテリア沈殿物除去剤 (少量)

 J カワニナ粉砕用ハンマー K カワニナ粉砕用作業板 




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